6:04の<やまびこ>に乗った。9:00前には一ノ関駅前の日本レンタカーで手続きが出来た。東北の時間距離が短くなっているなぁ・・と実感。まずは荷物を送っておいた日通の一ノ関営業所に向かう。駅の近くにも日通の営業所はあったのだが、よく調べないで送ったので少し遠い営業所に届いていた。 特に予定を立てていなかったので、気軽に車を走らせる。駅から342号線を2kmほど南下して営業所で荷物を受け取り、地図を眺めて、まずは厳美渓に向かう。途中のスーパーに寄り、今日の食料を調達。キャンプの場所は決めていないが、適当に走っていたらどこかあるだろう。栗駒山を源流にする磐井川沿いに、342号線を10kmほど走ると厳美渓に 着く。駐車場に車を入れて川を見に行く。木曽の寝覚ノ床に雰囲気が似ている。名物の谷渡りの団子を眺め、川沿いに少し歩く。写真を何枚か撮って駐車場に戻る。お団子は橋を渡って左にある団子屋に入って、注文。胡桃と餡を2本食べたが、なかなか美味しかった。 県道を左折して毛越寺に向かう。建立当時をしのばせるのは全て礎石だけで、庭の広さだけが藤原三代の栄華を思わせる寺だった。池を一周して出る。そのまま中尊寺に向かう。平日とはいえ、中尊寺の駐 車場はさすがに車で一杯だった。建立当時の、平安後期の派手さや華やかさは恐らく毛越寺の方があったのでは無いかと思うが、500年後の芭蕉のおかげで中尊寺がメジャーになってしまっている。月見坂を登り、ぐるり一周した。物見から眺める北上川は蛇行の姿は変わっていても、恐らくほぼ同じような流れだったんだろうなぁ・・と、ぼんやり時の流れを思っていた。『さみだれの降り残してや光リ堂』 ![]() 300年前にこの場所を訪ねた時、金色堂の修復は今ほどはされていなかった訳で、恐らく金箔や螺鈿も剥げてみすぼらしい姿だったのでは無いかと思う。それでも当時の芭蕉にとっては、あの螺鈿や金箔は僕らが感じる以上の華やかさだったと言うことなんだろうなぁ。 お寺を回って、なんだか歴史はお腹一杯の気分で温泉に向かった。途中の川で竿を出してみようと思って342号線を栗駒山に向かって車を走らせる。下は曇りだったが、標高が高くなるにつれて雨になってしまった。厳美渓を過ぎ、矢びつ温泉の手前の県道を右折して1本目の中川にかかる橋の手前で車を止めて川を覗いてみた。雨が強くなっていて、ちょっと竿を出す気にはならなかった。矢びつダムの上流でも車を止めて川をのぞいた。この辺りまで来ると標高が結構高いので、橋から覗く川は遙か下に流れている。 結局、真湯温泉にした。露天風呂に入ったが、平日の夕方で、雨も降っているということで人が誰もいなかった。小さな湯船だったがブナを眺めながらの露天風呂は気持ちが良かった。 風呂から上がり、342号線をまた下界に下りた。途中の道の駅で一休みして、テント泊は磐井川にかかる上の橋横の河川敷に決めた。まだ少し明るいので、暗くなったらテントを張ることにして、シートを倒して横になった。そしたら、そのままぐっすり寝込んでしまい。目が覚めたら、外は真っ暗である。なにより寒さで目が覚めた。眠くて、テントを張るのが面倒で、結局、シュラフをゴソゴソ引っ張り出し、かぶってそのまま、また寝てしまった。ふんわり暖かく、これはこれで、なかなかいいなぁ・・・と、思って寝た。
けっこうぐっすり眠って、車中泊も悪くはないなぁ・・と目が覚める。荷物を整理して、コンビニのオニギリをぼそぼそ食べ、レンタカー屋に向かう。返却の手続きをして、15分程で琥珀さんが迎えに来てくれた。284号線、456号 線、343号線、と走り、340号線に入り、気仙川沿いの道を住田町に向かう。途中の釣具屋で入漁券とエサと仕掛けを買う。琥珀さんが以前一緒に仕事をしていた佐々木さんのお宅の庭に車を止めて、支度にかかる。すでに、ヒラリーさんと米谷さんが到着していて、二人は本流ではなく支流にイワナを釣りに向かった。仕掛けを作って、川に入る。思ったほどアタリもなく、結局午前中はチビヤマメ1 匹だけだった。琥珀さんは23cmのヤマメを上げて意気揚々である。それでも川幅30mほどもある本流の川底が見えていて、川に入っているだけで解放された気分だった。午後は、琥珀さんに仕掛けの作り方、エサの付け方、竿 の出し方、流し方、基本的な事を一から教えて貰った。すると午前中にほとんどアタリの無かった場所で、次から次へとアタリがある。型は小さいが数も出るようになった。なんだか魔法にかかった気分で釣り下った。と言っても距離的には300mくらいの距離なのだが、広い川なので、ポイントがいたるところにある(ような気がした)。橋を過ぎて、100mほど下ったあたりの川岸で、下がナメになっている辺りで流した ら、ぼくにも少し大きいのがきた。といっても上げてみたら20cmほどなのだが、引き方と言い、竿のしなり具合といい、かかった瞬間、本人は尺が来たと思っていた。(笑)雨はなんとかもってくれて、一日釣りをすることが出来た。それにしても仕掛けや流し方で、まったく違った釣りになるのだと言うことが、身にしみた。それから夕方までに、もう大きいのはこなかったが、12〜15cmのヤマメ達がたくさん遊んでくれた。 玉砂利の川底が綺麗に見えている、なんとも美しい川で、一日気分が良かった。 竿をしまって、佐々木さんにお礼を言って陸前高田に向かう。今回のテーマの一つ『海の美 味しい魚を食べる』を実践である。琥珀さんなじみの<鶴亀寿司>である。今日、ヒラリーさんが釣った鮎を3匹と僕の釣ったヤマメを持ち込んで炭火で焼いて貰うことにする。こんな我が儘を聞いてくれる寿司屋さんが岩手にあるというのも、琥珀さんの人徳かな。魚を焼いて貰いながら、まずはビールで乾杯。海の幸が続々と出てくる。ホヤ、ウニ、マンボウの胃、アワビ、ヒラメの縁側・・・・さす がに美味しい海の幸が一杯だ。最後にお寿司を食べて、”代行”を呼ぶ。向かったのは大船渡の健康ランドである。入場料が1000円、翌朝延長料金が700円。合計1700円で、お風呂が入り放題で、簡易の宿泊施設がある。いままでこんな施設があることを知らなかったので、これまた、実に得した気分である。お風呂に入ったら、もうすぐに眠くなってしまった。毛布をかぶったら、たぶん1分くらいで寝てしまったのではないだろうか。
起きたら、相変わらずの曇り空である。海が近いので霧が発生しやすいのか、窓から眺める山は霧に包まれていた。ノンビリ準備をして、今日も気仙川である。佐々木さんの庭に車を置いて準備をする。今日は僕はちょっと上流へ、琥珀さんはトロ場で大物を狙う。200mほど上流へ歩いて川に入る。仕掛けは、昨日琥珀さんから教えて貰ったように作った。流すとさっそくアタリがある。大きい物は 上がらないが15cmくらいのヤマメがたくさん遊んでくれた。お昼までかかって200mを釣りくだって、一旦上がる。お昼を佐々木さんのオバアチャンに作ってもらってご馳走になり、午後は”盛岡毛針”を使うことにした。 親指ほどの大きさの、大きな浮きのようなインジケーターに5本の毛針が着いている。長さは5.4m。竿につけてみて、最初の感想は『こんなんで、釣れるんかなぁ・・・』というのが、正直な感想だった。まずは佐々木さんの家の前の土手を下りたところで、流してみる。なんと、すぐに何匹がバシャバシャと毛針に現れる。2投目でチビを釣り上げてしまった。これはこれは、魔法のような仕掛けである。それから、竿を振り上げては瀬に投げて、押したり引いたりを繰り返し釣り下っていった。竿が5.4m、仕掛けが5.4mだから、10mを思いっきり振り回す空間が必要な訳で、本流じゃないと出来ないなぁ・・などと思いながら遊んでいた。 毛針で魚を釣るというのは初めての経験で、最初はバシャバシャ現れるヤマメになかなか合わせることが出来ず苦戦したが、だんだん慣れてくるとヒョイヒョイと上がるようになってきた。結局、夕方までこの毛針で遊んで、それはもう、たぶん一年分くらいのヤマメを釣った様な気がする。しかし、残念ながら大物は皆無だった。(笑) 昼からはヒラリーさんも戻ってきて、アユを始めた。橋の下で始めたのでちょっと眺めていたら、すぐに掛かった。慌ててデジカメを向けたが、あのアユが飛んできて網に入る瞬間は撮影できなかった。残念。琥珀さんは、午後はフライだった。目の前でちょっと大きいのがヒット。こ れまた慌ててデジカメで撮影。結局夕方薄暗くなるまで盛岡毛針で遊んでいた。普段の釣りでは、だいたい飽きてしまって集中力が切れていくことが多いのだが。まだ、なんだか遊び足りない気分で川を上がった。 今日も雨なのでテント泊は諦めて、宿は昨日と同じ健康ランドにした。その前に大船渡の中華料理屋さんで、ラーメンとチャーハンを食べる。山や沢に行って、下山の時に『カツ丼くうぞ・・』と思いながら下りてくる時みたいにお腹が空いていたので、ペロリと平らげた。 ヒラリーさんは盛岡に帰ったので、今日は米谷さん、琥珀さんと3人で宿泊。それにしてもよく遊んだ一日だったなぁ!
起きたら、土砂降りだった。朝風呂に入って、なんだかまったりした気分で、窓を眺めていた。9:00にチェックアウトだった。健康ランドを出て、すぐ下にある展望台に上がってみた。大船渡湾が眼下に見渡せてなかなか良い景色である。『水もトイレもあるし、もし晴れていたらここでテント泊ですね』と三人で話し、車に戻る。朝食はコンビニに寄ってお弁当を買い、道の駅に行く。なかなか立派な道の駅で、椅子とテーブルがある部屋でゆっくりと朝御飯。物産コーナーをひやかして、遠野に向かう。 ![]() 道は空いていて、340号線を1km/分のペースで快調に走る。しかし雨は相変わらずで、赤羽峠を越える頃は前が見えなくなるほどの土砂降り状態だった。それでも283号線に入り、遠野の街に入る頃は少し小降りになっていた。山の雨が凄かった訳である。 まずは道の駅に向かい、あれこれ見物。お餅を買って3人で食べる。僕は豆餅、米谷さんは味噌と醤油と胡桃の入ったお餅。これがなかなか美味しい お餅だった。車から珈琲とバーナーを下ろしてきて、お湯を沸かし珈琲を淹れて飲む。眼下には猿ヶ石川が流れていて、景色を眺めながらこれまたまったりした気分だった。雨も小降りになってきたので、遠野を少し 観光していくことにした。まずは千葉家の曲がり屋を見に行く。大学では民俗学も取った記憶はあるが、『遠野物語』は読んだことがなかった。帰ったら買って読んでみようと思っていたら、曲がり屋の入場料を払うところに売っていたので、文庫本を購入する。![]() 観光で一部解放しているとはいえ、築200年の家にまだ人が住んで暮らしているというのが驚きだった。曲がり屋は、ここ南部だけの物ではなく、あちこちにあるようだが、公開しているだけあって実に大きな家だった。遠野の馬市が幸盛を極め、人と物の交流が盛んだったことがなんとなく推測できるような気がした。 カッパ淵を見て、近くでお昼にお蕎麦を食べて、今回の旅最後の川に向かう。340号線を左折して106号線に入る。閉伊川沿いの道をしばらく走るが、この川も良い川だ。途中で眠くなってしまい、申し訳ないが少し眠らせて貰った。目を覚ますと支流の小国川だった。僕と琥珀さんが川に入ることにした。米谷さんは今回は車で昼寝である(^^)。僕はもちろん”盛岡毛針”である。川におりて早速流してみる。すぐにバシャッとヤマメが出てくる。それにして、おそるべし盛岡毛針である。エサよりも釣れてしまうなんて。 50mほど歩いて、淵で流してみた。すると、バシャっとヤマメが出た。見るからに大物である。ドキッ!とする(笑)。しかし僕のヘボ釣りでは、残念ながら上げることは出来なかった。それから300mくらい釣り下った。大きい物はあいかわらず上げられなかったが、1時間ほどの間に7匹のヤマメを釣った。 雨も強くなり、時間も15:30を回ったので、上がることにする。下の橋まで釣り下ったのだが、道に上がる場所が無い。仕方がないので、雨の中、川をあるいて入渓点に戻った。 これで、今回の遊びは全て終わりである。ホントにホントに充実した釣りと観光だったなぁ。琥珀さんには、心から感謝である。 |